「社員の安全」と「BCP対策」を考慮した新工場

電気設備資材?給排水設備資材?空調設備資材などを中心に、開発から製造、販売されている未來工業様。昭和四十年の創業時より、畫期的な商品の開発のみならず、施工性に優れた特徴ある意匠など、商品に『選びたくなる付加価値をつける』ことにこだわったモノづくりに取り組んでこられました。

同社が取り扱う2萬5千アイテムを超える商品は、全國6工場で生産されています。なかでも築50年を超える養老工場は、老朽化とともに現在の耐震基準を満たしておらず、BCP（事業継続計畫）や『社員の安全を守る』という観點から、未來工業様の企業経営における大きな課題の一つでした。また創業開始當初、周辺に民家や建物は少なかった養老工場では、環境の変化に伴い、作業內容の自主規制を行うなどの対応を迫られていたこともあり、『新工場の建設による製造拠點の移転』を決斷されることとなったのです。

移転先としては、安全性への配慮から『安定した地盤の土地』、続いて『物流拠點として機能する立地』、『工業用水の使用制限が無いこと』、『電気?通信などのインフラ整備』などをポイントとして検討。最終的に『雇用の継続』が可能であることから、同じ岐阜県內にある垂井町の土地を建設地として決定されました。

大和ハウス工業では、建物の設計?施工までトータルにサポート。施設計畫にあたっては、未來工業様のご要望である高い耐震性を誇る構造建築で、効率的な作業動線に配慮した、柱の少ない大空間を実現しました。さらに施設內には、環境に配慮して省エネを実現させるための工夫を隨所に施しました。特に、製造エリアでは自然エネルギーの活用を、倉庫?事務所エリアではCO₂排出量を低減させる取り組みを行っています。これにより、建築物総合環境性能評価システム「CASBEE（新築）」で最高評価の「Sランク」を取得しました。

自然エネルギーの活用としては、倉庫の高天井には調光機能付きLED照明と光屈折窓フィルムの組み合わせにより太陽光エネルギーを活用して十分な明るさを確保。また豊富な地下水は、生産過程に必要な冷卻水への利用や、空調設備の熱源としても利用しています。さらに、EMS（エネルギー?マネジメント?システム）を導入して運転管理やシステム制御を駆使し、エネルギー消費量のマネジメントを行っています。

BCP（事業継続計畫）においても、水害などの非常時であっても被害が出ないよう、排水設備の電力として自家発電設備を設置したほか、風力発電街路燈、かまどベンチ、トイレスツールの設置をすることで災害時の対策を講じました。次世代型省エネ工場として、平成29年6月の本格稼働を予定しています。