コラム vol.390-3多様化する人生100年時(shí)代のライフプランと賃貸住宅経営(3)おカネ ~家計(jì)の悪化への対処~
公開(kāi)日:2022/03/31
POINT!
?おカネの健康維持管理法には、①収入を増やす、②支出を減らす、③資産運(yùn)用をする、の3つがある
?おカネに関する問(wèn)題処理能力を高めることが必要
?先進(jìn)的な情報(bào)提供や技術(shù)を兼ね備え、賃貸住宅経営のノウハウを持つ企業(yè)とコミュニケーションを取ることが重要
賃貸住宅経営を行う際に必要な長(zhǎng)期的視點(diǎn)に立つと、「ヒト」から見(jiàn)た長(zhǎng)壽化、住まいなど「モノ」から見(jiàn)た老朽化、その2つを主な原因とした家計(jì)「おカネ」から見(jiàn)た狀況の悪化という3つの視點(diǎn)から対策を事前に考えておく必要があります。
今回は連載の最後となる「おカネ」の視點(diǎn)を解説します。
経済成長(zhǎng)率の推移から見(jiàn)た現(xiàn)在
今後、自助の割合が高くなる中で、その基盤(pán)となる経済的な素養(yǎng)=おカネの健康維持管理が大切です。まず、過(guò)去から見(jiàn)ていきましょう。
わが國(guó)は、1945年(昭和20年)の第二次世界大戦敗戦後、1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)生まれの「団塊世代」が誕生し、1950年(昭和25年)の朝鮮戦爭(zhēng)による特需を受けて、1956年(昭和31年)から経済の高度成長(zhǎng)が本格的にスタートしました。
1960年(昭和35年)には、國(guó)民年金など現(xiàn)在の高齢期に必要な社會(huì)保険の基本的な枠組みも誕生しています。1971年(昭和46年)~1974年(昭和49年)に団塊の世代の子ども世代(団塊ジュニア世代)が誕生し、経済は順風(fēng)満帆でした。実際に、1956年(昭和31年)~1973年(昭和48年)を高度成長(zhǎng)期といい、年平均で9.1%の経済成長(zhǎng)をしていました。
しかし、1973年(昭和48年)の第四次中東戦爭(zhēng)を機(jī)に第1次オイルショックが、1979年(昭和54年)にはイラン革命を機(jī)に第2次オイルショックが発生し、経済は低成長(zhǎng)期に転じました。
1971年(昭和46年)のニクソンショックによる円高不況も重なり、消費(fèi)者物価指數(shù)は1974年(昭和49年)に約23%上昇し、「狂亂物価」となり、戦後初のマイナス成長(zhǎng)となりました。その後、経済は高度成長(zhǎng)期までいかないまでも順調(diào)に持ち直し、1985年(昭和60年)~1990年(平成2年)には生命保険予定利率(20年超)が5.5%とピークを記録し、1989年(昭和64年/平成元年)に昭和が終焉、東西冷戦の象徴でもあるベルリンの壁が崩壊しました。また、バブル景気という好景気に沸く中で、消費(fèi)稅が導(dǎo)入されたのもこの年です。この1974(昭和49年)~1990年(平成2年)を低成長(zhǎng)期といい、年平均で4.2%の経済成長(zhǎng)をしていました。
1991年(平成3年)のバブル崩壊後、団塊ジュニア世代が大學(xué)を卒業(yè)する時(shí)期が訪れました。このため1993年(平成5年)から2005年(平成17年)は就職氷河期と呼ばれ、有効求人倍率が1を下回り、新規(guī)求人倍率は1998年(平成10年)に0.9まで下がり、新卒者は困難な就職活動(dòng)を強(qiáng)いられ、フリーターや派遣労働者といった社會(huì)保険の少ない非正規(guī)雇用が増加しました。
同時(shí)に、1990年代後半に不良債権問(wèn)題が噴出し、1997年(平成9年)には北日本で最大の銀行であった北海道拓殖銀行や証券業(yè)界第4位の規(guī)模を誇った山一証券が破綻。さらに1998年(平成10年)秋には、法人向け長(zhǎng)期金融の要である日本長(zhǎng)期信用銀行や日本債券信用銀行という大手金融機(jī)関が破綻しました。不良債権処理の解決のため、銀行の貸し出しと表裏一體の関係にある、大企業(yè)の債務(wù)リストラ等も加速しましたが、全般的な景気低迷が続く中、不良債権問(wèn)題?貸し渋りに代表されるわが國(guó)の金融危機(jī)はなかなか収束しませんでした。
投資の観點(diǎn)では、2001年(平成13年)に確定拠出年金がスタートし、株式や債券など従來(lái)の金融マーケットへの投資だけでなく、不動(dòng)産の証券化や外貨などさまざまな金融商品を用いることが求められるようになりました。これにより、従來(lái)は勤務(wù)先に退職金等の運(yùn)用を任せる仕組みでしたが、自助機(jī)能を高めるため、自分自身で老後の資金を創(chuàng)るという発想が定著しつつあります。
1991年(平成3年)~2020年(令和2年)度は、失われた30年といわれ、経済成長(zhǎng)率は年平均約0.7%でした。
図1:経済成長(zhǎng)率の推移

內(nèi)閣府 國(guó)民経済計(jì)算(GDP統(tǒng)計(jì))より作成
1980年以前は「平成12年度版國(guó)民経済計(jì)算年報(bào)(63SNAベース)」1981~1994年は年報(bào)(平成21年度確報(bào)、93SNA)。それ以降は2008SNAに移行。2021年10~12月期1字速報(bào)〔2022年2月15日公表〕
経済が停滯している最大の問(wèn)題は、潛在成長(zhǎng)率の低さ
日本全體で見(jiàn)たときの最大の問(wèn)題は、潛在成長(zhǎng)力が低いままであることです。內(nèi)閣府の令和4年第1回経済財(cái)政諮問(wèn)會(huì)議でもその打開(kāi)のため、「生産性向上、若者?女性の潛在力の引出しとそのための方策、働き手のエンゲージメント向上に向けた柔軟な働き方の推進(jìn)、労働移動(dòng)の促進(jìn)に向けたボトルネックの検証と対応策、GX(グリーン?トランスフォーメーション)?DX(デジタル?トランスフォーメーション)の加速に向けたロードマップに基づく取り組み方策等」が提言されています。
また、経済の本格回復(fù)、民需主導(dǎo)の成長(zhǎng)経路への移行に向けて、GDPの6割を占める個(gè)人消費(fèi)の持続的な回復(fù)に向けた取り組みが望まれています。同會(huì)議でも「実質(zhì)可処分所得の引上げ、貯蓄?個(gè)人金融資産の有効活用、消費(fèi)構(gòu)造の変化、社會(huì)保障改革を通じた將來(lái)不安の解消による消費(fèi)性向の引上げ等」が提言されています。
個(gè)人消費(fèi)の持続的な回復(fù)、つまり、おカネの健康を良好な狀態(tài)に維持向上するためには、①「収入を増やす」、②「支出を減らす」、③「資産運(yùn)用する」という3つの方法を上手く組み合わせることが大切です。そして、根本的な対処法は①「収入を増やす」ことです。
実際、國(guó)稅庁「民間給與実態(tài)統(tǒng)計(jì)調(diào)査結(jié)果」における平均給與の推移によると、1956年(昭和31年)~1973年(昭和48年)度の高度成長(zhǎng)期で年平均+4.9%、1974年(昭和49年)~1990年(平成2年)度の低成長(zhǎng)期で年平均+3.4%と確実に収入が増加していましたが、1991年(平成3年)~2020年(令和2年)度の失われた30年で6%減少しているので、年平均-0.2%とマイナスに転換し、推移しています。
図2:平均給與の推移(千円単位)

國(guó)稅庁「民間給與実態(tài)統(tǒng)計(jì)調(diào)査結(jié)果」より作成
失われた30年、一般家庭が取った方策は?
何も考えずに世の中の動(dòng)きに順応していくだけでは、おカネの健康維持管理法①「収入を増やす」ことは難しいのはご理解いただけるでしょう。
そのような観點(diǎn)から「自分でできることは自分でする」という自助の発想が重要になってきます。
図3:専業(yè)主婦世帯と共働き世帯(1980年~2021年)

獨(dú)立行政法人労働政策研究?研修機(jī)構(gòu)「早わかり グラフでみる長(zhǎng)期労働統(tǒng)計(jì)」
また、高度成長(zhǎng)期?低成長(zhǎng)期と比べ、世帯の働き方も専業(yè)主婦世帯中心から共働き世帯中心に変化しています。
私たちが気付くべきことは、統(tǒng)計(jì)を見(jiàn)る前に、すでに私たち自身が家計(jì)の悪化に対して回避行動(dòng)をしているという事実です。低成長(zhǎng)期の最晩期の1990年代から給料の伸びは停滯しています。
しかし、働き手を増やすことで乗り切り、2000年代以降は共働き世帯がスタンダードになっています。すでに共働き世帯と専業(yè)主婦世帯の比率は約2:1です。
このように世の中を動(dòng)かす大きな流れには、短期的に抵抗勢(shì)力などの反発を受けるにしても、長(zhǎng)期的に見(jiàn)て抗あらがうほかはありません。
まさに、気候変動(dòng)に伴うカーボンニュートラルへの流れやデジタル化、キャッシュレスといった事柄も大きな流れにほかなりません。
今後の対処方法 ~キャッシュレスと教育
私たちは今までおカネに関する勉強(qiáng)を體系的にしてこなかったと思います。だから、ちょっと考えれば「おかしい」と気付けることをう呑みにしてしまう、簡(jiǎn)単に詐欺師にダマされてしまうといったことが橫行するわけです。このような詐欺師の言葉は辻褄が合わないことが多いものです。例えば、目的や考え方など「総論」ではほとんど正しいことを言っていても、その人が勧める「各論」(手段)は「どうして?」と思えるほど実現(xiàn)が可能なのか疑わしいことだったり、そのために自分しか知らない魔法があるような甘い言葉がささやかれたりするわけです。
その対処法としては、問(wèn)題処理能力を身に付けることです。すでに情報(bào)はオープンになっています。デジタル化やキャッシュレス化という大きな時(shí)代のうねり、高齢化によって発生するさまざまな困難に“自ら”対処するため、特におカネに関する問(wèn)題処理能力を高めることが必要です。
そこで、文部科學(xué)省が定める教育課程の基準(zhǔn)である「學(xué)習(xí)指導(dǎo)要領(lǐng)」の改訂があり、2022年(令和4年)4月から中?高等學(xué)校で金融経済教育が始動(dòng)しました。実際に、教職の方のFP資格の取得も増えているようです。くしくも18歳成人という明治以降、最も大きな変革といわれる民法改正と同じタイミングで行われました。
その根幹をなす考え方が「ライフプラン」=人生設(shè)計(jì)です。私も評(píng)議員を務(wù)める日本FP協(xié)會(huì)も2013年(平成25年)より金融広報(bào)中央委員會(huì)によって設(shè)置された「金融経済教育推進(jìn)會(huì)議」に參加しており、「最低限身に付けるべき金融リテラシー」を年齢層別に、體系的かつ具體的に記した「金融リテラシー?マップ」を2014年(平成26年)に公表しています。今回の金融経済教育では、このマップに示されている金融広報(bào)中央委員會(huì)が「學(xué)校における金融教育促進(jìn)のための懇談會(huì)」において取りまとめた「金融教育プログラム」がベースに運(yùn)用されるでしょうから、「ライフプラン」の大切さはご理解いただけると思います。
繰り返しになりますが、ファイナンシャルプランニング=おカネの健康維持管理法の秘訣は、①「収入を増やす」、②「支出を減らす」、③「資産運(yùn)用をする」の3つです。労働による?yún)毪恰?#9312;「収入を増やす」ことが難しくなっているのは理解できると思います。社會(huì)の動(dòng)きも速いので、転職が當(dāng)たり前の世の中になることを前提に國(guó)も政策を立案、動(dòng)かし始めていますから、少なくとも今までよりも不安定化するでしょう。
通信費(fèi)など固定費(fèi)の見(jiàn)直しといった節(jié)約に代表される②「支出を減らす」ことができるのかについては、長(zhǎng)らく物価は低位で安定していましたが、直近の資源価格の高騰などの影響もあり、日本銀行の2022年(令和4年)1月時(shí)點(diǎn)の試算では、消費(fèi)者物価は1.1%上がると予測(cè)されています。なかなか節(jié)約しづらい狀況ですが、すでにスマートフォンでキャッシュレス決済を利用している方なら、一定のキャッシュバックポイントがあり、このポイントは期間限定もポイントも含めて、支払に利用できます。「ポイ活」といわれる節(jié)約術(shù)を謳歌している方もいらっしゃいます。
安定的な収入を得られる③「資産運(yùn)用をする」の代名詞である「賃貸住宅経営」でも、「2021年から動(dòng)き出す新しい住宅政策とは?③「新技術(shù)~デジタル化を活用した変化が求められる!?」でお伝えした通り、徐々にデジタル化の波が押し寄せています。利用する媒體はすでにPCではなくスマートフォンが主流になっていますから、スマートフォンを利用することにより可能になるさまざまなサービスが今後は増えてくるでしょう。例えば、家賃支払いなども徐々にスマートフォンで決済されるでしょう。実際、キャッシュレス決済の中心は未だにクレジットカードですから、今後、信用情報(bào)などの活用も期待できるはずです。
個(gè)人情報(bào)との関係が気になりますが、一般社団法人キャッシュレス推進(jìn)協(xié)議會(huì)より「キャッシュレスサービスにおける個(gè)人情報(bào)の取扱いに関するガイドライン」が公表され、徐々に整備が進(jìn)んでいます。
このような先進(jìn)的な情報(bào)提供や技術(shù)を兼ね備えた賃貸住宅経営のノウハウを持っているのは、その業(yè)界を先頭で走るリーディングカンパニーです。時(shí)代を先取りした対処方法を考えていくためにも、しっかりと継続的にノウハウを持った企業(yè)とコミュニケーションを取るようにしていきましょう。
















