世界で初めてシャンプーのゼロカーボンを達(dá)成

2002年、スティーブン?コー氏によって創(chuàng)業(yè)されたオーライトは、2006年頃からグリーン?サステナビリティを掲げるブランドに転換しました。その後約20年かけてプロダクトの研究開発、生産、輸送、使用、回収から企業(yè)文化、カスタマーサービスや環(huán)境教育に至るまで、すべてのプロセスで「グリーン」「サステナブル」「イノベーティブ」というブランドのコアバリューを?qū)g現(xiàn)するユニークな企業(yè)へと大きく成長しました。

臺灣各地の路面店やデパートなど、オーライトの直営店は現(xiàn)在25店舗（提供：オーライト）。

世界初のゼロカーボンシャンプーとして注目を集めたのが、オーライトが2011年に発表した「グリーンティ シャンプー」です。

世界で初めてゼロカーボンを達(dá)成したグリーンティ シャンプーのボトルは、底に種がセットされており、使用後に土に埋めるとそこから木が育つ設(shè)計(jì)。※現(xiàn)在、Tree in Bottleボトルの生産?販売は終了しています（提供：オーライト）。

2007年に當(dāng)時(shí)はまだ珍しかった「8free」（環(huán)境ホルモンなど、健康に有害とされる高リスクな8種類の化學(xué)物質(zhì)を含まない）シャンプーとしてグリーンティ シャンプーを開発したオーライトは、使用後に自然分解されるシャンプーボトルや、100％再生プラスチック（PCR）によるボトル、再生原料で作るポンプヘッドを生み出し、さらなるグリーンの高みを目指していきました。

2009年には、サプライヤーたちとともに臺灣で初めて「カーボンフットプリント（企業(yè)活動やプロダクトのライフサイクルにおいて、直接または間接的に発生する溫室効果ガスの総量を二酸化炭素の排出相當(dāng)量に換算したもの）」の導(dǎo)入に踏み切り、2010年に臺灣初のカーボンフットプリントラベルを獲得しました。

カーボンの排出量を把握したオーライトは、次のステップに進(jìn)むことができるようになりました。事前にカーボンの管理計(jì)畫を立ててカーボンを削減しながら、排出せざるを得なかった分は外部のカーボンを吸収?除去することで相殺し、実質(zhì)的に大気中の溫室効果ガスを増加させないという流れを作り出したのです。翌2011年、グリーンティ シャンプーは、二酸化炭素の排出量と吸収量を相殺する「カーボンニュートラル（ゼロカーボン）」を達(dá)成しました。

創(chuàng)業(yè)者のスティーブン氏によれば、シャンプーが最もカーボンを発生させるのは製造工程ではなく、消費(fèi)者によって使用されるタイミングなのだそうです。シャンプーを洗い流すためには大量の清潔なお湯を必要とし、洗い終えたらドライヤーで乾かさなければなりません。オーライトはこの點(diǎn)まで考慮してプロダクトの改良を進(jìn)めたのでした。

廃棄されるコーヒーかすから栄養(yǎng)成分を抽出して作られた、頭皮ケアもできる「Recoffeeシリーズ」。使用後は自然分解されるボトルにもコーヒーかすを配合し、ボトルの底にはコーヒーの種が入れられている（提供：オーライト）。

また、コーヒーブームの裏で大量に廃棄されるコーヒーのかすから栄養(yǎng)成分を抽出し、シャンプーや育毛液といったプロダクトに活用することで生まれた「Recoffeeシリーズ」もまた、オーライトの代表作になりました。

2020年にオーライトは全プロダクトでゼロカーボンを達(dá)成。100％再生プラスチック（PCR）ボトルを採用し、健康に有害とされる16種類の成分を使わない「16free」を?qū)g踐しています。

大企業(yè)であることより、グッドカンパニーであることの方が重要

オーライトのプロダクトは、ごく最近までヘアサロン専売品でした。臺灣における提攜サロンは2020年に7,000店を超え、全臺灣のサロンの約30％を占めるまでになっています。現(xiàn)在ではコンビニやスーパー、路面店での販売も行われているほか、40の國と地域への輸出も展開しています（2023年末時(shí)點(diǎn)）。

従業(yè)員は300人規(guī)模の中小企業(yè)ですが、スタッフの給與を年間3?5％引き上げながら會社の業(yè)績は安定して成長しており、2020年の売上高は55億元（約275億円）を突破。純利益は8,000萬臺灣元（約4億円）を超え、コロナ禍でも前年度比30％の成長を遂げることができました。

世界の栄譽(yù)あるグリーンアワードでも、大企業(yè)と並んで高く評価されてきました。

2020年にはAppleや半導(dǎo)體のTSMC（臺灣積體電路製造）らと同時(shí)に2020年「RE100」グローバル?トップ15のグリーンリーダー賞に選ばれました。

オーライトは早くから率先して再生可能エネルギーを使用しており、2025年には100％を達(dá)成できる見込みです。臺灣を代表する半導(dǎo)體大手のTSMCは2050年に100％達(dá)成を宣言していますから、オーライトは彼らより4半世紀(jì)早いというわけです。

さまざまな賞を受賞する中で、オーライトはよく「あなたたちは毎年中小企業(yè)カテゴリに入ったままですね。どうして大企業(yè)に成長しないのですか？」と質(zhì)問されていますが、スティーブン氏は決まってこう答えています。

「大企業(yè)であることより、良い企業(yè)（グッドカンパニー）であることの方が重要です」「売上額は少なくても、私たちの影響力はとても大きいのですよ」

國連気候変動?xùn)樈M條約第22回締約國會議（COP2022）で講演する、オーライト創(chuàng)業(yè)者のスティーブン?コー氏（提供：オーライト）。

オーライトが中小企業(yè)ながらこれだけ目覚ましい実績を殘すことができているのは、誰もやっていない頃から「グリーン」「サステナブル」「イノベーティブ」へとブランドを転換させたことの結(jié)果であるように思えます。

カーボンフットプリント、カーボンニュートラル、再生可能エネルギーなどというテーマに大企業(yè)よりずっと前から著手してきた結(jié)果、オーライト自身が強(qiáng)い競爭力を高めたと同時(shí)に、再生プラスチック材料メーカー、分解可能なボトルの製造業(yè)者といったオーライトのサプライヤーたちも、海外の大手メーカーからの受注や投資を受けるようになっています。

世界から視察が絶えないグリーンビル

臺灣の桃園市にある工場を附設(shè)した本社ビルは、スティーブン氏が獨(dú)學(xué)で設(shè)計(jì)した生態(tài)系と共存する構(gòu)造と、隅々までグリーンでサステナブルを?qū)g踐していることから「グリーンビル」と呼ばれ、政府のグリーン建築認(rèn)証をダブル取得しています。

桃園市?龍?zhí)钉摔ⅳ?,500坪のオーライト本社は、「グリーンビル」と呼ばれている（提供：オーライト）。

屋上には風(fēng)力発電設(shè)備やソーラーパネルが設(shè)置されているほか、排水処理ではプロダクトの製造に使用した排水と雨水を回収して再利用するシステムが作られています。水は循環(huán)して使用されており、オフィスの入り口には大きな水のカーテンが作られ、オフィスに吹き込む山風(fēng)を冷やし、一年のうち300日以上冷房をつけなくても快適に過ごすことができています。

高校以上の學(xué)校、企業(yè)、地域や団體に向けて無料で開放され、専門のガイドが案內(nèi)してくれるグリーンビルは、たちまち環(huán)境教育における人気の見學(xué)施設(shè)になりました。2020年末までに世界70カ國から3萬人ほどが訪れたとのことです。

中小企業(yè)であることを理由にサステナブルであること、SDGsの達(dá)成に消極的になる必要はないのだとオーライトは示してくれており、それが臺灣をはじめ、海外の企業(yè)にも影響を與えていると思います。