
賃料上昇にともなう賃貸住宅ニーズの変化
公開(kāi)日:2025/06/30
全國(guó)的な地価上昇に加えて、以前のコラムでお伝えしたように、建築費(fèi)の上昇が続いています。そのため、新築マンション?戸建住宅?一棟売賃貸住宅とも価格が上昇しています。また、その一方で家賃の上昇も顕著となってきました。家賃の上昇に伴い、ご入居者も賃貸住宅選びに関して慎重となってきています。
今回は、賃貸住宅需要の変化の見(jiàn)通しと賃貸住宅に求めるものの変化について考えてみます。
賃貸住宅賃料の上昇とご入居者ニーズ
賃貸住宅の建築コストは、過(guò)去10年以上上昇し続けており、とくに2021年以降は大きく上昇しました。この傾向は住宅全般に言えることですが、この先もまだまだ上昇する可能性が高そうです。また、賃貸住宅においても、共有部の設(shè)備品のほか、多くの備品においても価格上昇しています。
建築費(fèi)上昇だけでは、賃貸住宅経営の投資採(cǎi)算性は悪化しますが、賃料の上昇がそれを補(bǔ)う形となり、賃貸住宅投資(=賃貸住宅経営)は、引き続き活況となっています。全國(guó)の主要都市では、2022年半ばころからの物価上昇にともない賃料も徐々に上昇しています。賃料には「遅効性」という特徴があり、物件価格上昇からやや遅れる傾向にありますが、それでもここ數(shù)年は賃料上昇が顕著となってきました。レジデンス系のJREIT銘柄のIR資料からも、その狀況は顕著となっています。
賃料の上昇は入居者負(fù)擔(dān)が増えるわけですが、それに伴いご入居者も、「それに見(jiàn)合う暮らしができるか」をしっかりと見(jiàn)極めた賃貸住宅選びとなっています。その流れの中で、「いまや賃貸住宅では當(dāng)たり前」の設(shè)備品があるか、付帯設(shè)備があるか、を確認(rèn)しているようです。
セキュリティの次に當(dāng)たり前化する付帯設(shè)備は?
単獨(dú)世帯が増え、賃貸住宅に住む方が増えている現(xiàn)代ですが、10年~15年くらい前、大和ハウスが提供するD-ROOMでは、「セキュリティ賃貸」をうたい、當(dāng)時(shí)の賃貸住宅ではハイレベルなセキュリティ対応賃貸住宅を提供しました。しかしこれも、いまでは「當(dāng)たり前」の水準(zhǔn)となってきました。
「これから必須の賃貸住宅の付帯設(shè)備」を考える時(shí)には、「昨今の生活スタイルを考えると必須となりつつあるもの」と「分譲マンションでは當(dāng)たり前のもの」がカギになると思われます。インターネット、宅配ボックスなどは、前者に該當(dāng)し、セキュリティ関連は後者に該當(dāng)します。
現(xiàn)在の賃貸住宅需要の中心は単獨(dú)世帯やカップル世帯が中心であることを考えれば、25~50m2程度の広さがボリュームゾーンとなります。この広さ?間取りを考えれば、単身者やカップル世帯が生活するうえで必要な付帯整備はすでにあり、室內(nèi)での今後「當(dāng)たり前化」すると思われる付帯設(shè)備はあまり考えにくいと思われます。
しかし、都市部を中心に賃料の上昇が続いている中で、またマンション建築費(fèi)が上昇している中で、1戸當(dāng)たりの面積は狹くなっており、狹くなっているのは収納スペースという狀況となっています。そこで、収納スペースの外出し化も徐々に増えてきました。宅配型のトランクルームを1棟の単位で契約して、そこをご入居者が利用するというようなサービスもあります。入居者が付帯割合に応じて払うタイプや、賃料に含まれているタイプなど、費(fèi)用の形態(tài)は様々ですが、都市部における賃貸住宅で、このような「宅配型トランクルーム」を備えることで、建物スペースを使うことなく、収納スペースを確保することができているようです。
また、「生活スタイル」起因の必須付帯設(shè)備として、「分譲マンションで増えつつあるもの」では、エントランスや各扉に適用される「顔認(rèn)証システム」があります。大和ハウスが提供している賃貸住宅でも今後、提案が増えていくのではないでしょうか。
増える高齢単身者の賃貸住宅暮らしに応えるサービスは?
今後、需要が急増すると思われるのは、未婚高齢単身者の賃貸住宅需要です。生涯未婚率(50歳時(shí)點(diǎn)未婚率)が男女とも急上昇しており、2020年には男性約28%、女性約18%(國(guó)立社會(huì)保障?人口問(wèn)題研究所データ)となっています。また、都市部での単獨(dú)世帯の70~75%は賃貸住宅に暮らしています。
國(guó)立社會(huì)保障?人口問(wèn)題研究所が2024年4月に公表した推計(jì)「日本の世帯數(shù)の將來(lái)推計(jì)(全國(guó)推計(jì))-令和6(2024)年推計(jì)-」によれば、2020~2050年の間に65歳以上男性の獨(dú)居率は16.4%→26.1%、女性は23.6%→29.3%と大幅増加となります。特に男性の単獨(dú)世帯化が大きく進(jìn)む見(jiàn)通しです。また、2020~50年の間に、高齢単獨(dú)世帯に占める未婚者の割合は、男性33.7%→59.7%、女性は11.9%→30.2%となり、近親者のいない高齢単獨(dú)世帯が急増することになります。
これらのデータから予想されることは、若いころからずっと賃貸住宅に住んでいた、結(jié)婚経験のない方が、高齢者(65歳以上)となり、引き続き賃貸住宅に住む、という方が急増するということです。
こうした方々の求める賃貸住宅を考えれば、設(shè)備でいえば、手すり等の高齢者対応ということになります。一方で、ソフト面の拡充は必要であり、緊急時(shí)の駆けつけ対応(見(jiàn)守り対応)、近親者のいない場(chǎng)合の入居時(shí)の保証人などの対応、建物內(nèi)でのコミュニティ形成促進(jìn)、といったことが求められると思われます。
今後の傾向としては、大和ハウスを含め大手ハウスメーカーが提供する賃貸住宅においては、すでに賃貸住宅の付帯設(shè)備はかなり整っていると思われますので、「新たな設(shè)備が備わる」(=建築費(fèi)が上昇する)、というよりも、ソフト面のサービスが付加されるという狀況になりそうです。