今回は、官民連攜による空き家や空き店舗の活用事例を見ながら、地域において課題を解決する具體的な手法について考えたいと思います。

地域の空き家?空き店舗の活用への取組プロセスをみる

一般社団法人「まちづくり八王子」が中心となって取り組んだ「空き店舗撲滅プロジェクト」。このプロジェクトは、さまざまな活動(dòng)を記録したハンドブックとしてまとめられており、地域における空き店舗や空き家の活用を促進(jìn)するための戦略的な創(chuàng)意工夫が詰まっています。ここから、取り組みのプロセスをご紹介します。

• （1）地域の空き店舗の現(xiàn)狀を徹底的に知る
  空き店舗問題の解決には、まず地域の現(xiàn)狀を客観的に知る必要があります。そのためには、空き店舗を調(diào)査するだけではなく、地域內(nèi)にあるすべてのテナント物件、業(yè)種構(gòu)成、有効活用が期待できる「空き地」や「空き家」などについて徹底的に調(diào)べ上げ、今後空き店舗となる可能性の高い物件や出店地域の不足業(yè)種、住民ニーズなどを把握して、將來的な活用を意識(shí)した基礎(chǔ)資料を作ることが大切だとしています。確かに、空き店舗や空き家問題を解消する最終目的は、地域を活性化することであるはずです。単に空き店舗や空き家が減ったとしても、賑わいが創(chuàng)出できなければ、いずれは廃業(yè)や閉店が増加してしまいます。そうならないためにも、地域全體の狀況を把握し、空き店舗を活用した將來像を描いて計(jì)畫を立てる必要があるのだと思います。
• （2）空き店舗オーナーの本音を知る
  空き店舗となっている要因、オーナーが賃貸を望んでいるのか、どのような業(yè)種にかしたいのかなど、オーナーのニーズや課題を収集し、オーナーとの強(qiáng)固な信頼関係を作り出すことが大切だとしています。
  空き店舗や空き家を放置しているオーナーは、他の収入源を確保していることも少なくなく、自分自身の緊急な課題であると感じていない方々も多いのではないかと考えられます。また、不動(dòng)産事業(yè)者においても、仲介している物件が地域にとってどのような存在なのかという意識(shí)も薄いのではないでしょうか。そこで、まちづくりを推進(jìn)する団體などが直接オーナーと腹を割って話しをすることで、地域課題への関心を高めるのは重要なことです。
• （3）オーナーに空き店舗の活用方法を提案する
  オーナーとある程度の信頼関係ができた後も、問題解決をオーナー任せにするのではなく、どのような業(yè)種のどのような店舗が地域にとって魅力的なのか、地域住民がどのような店舗を望んでいるのかなど、空き店舗ごとに提案し、オーナーが自身の物件の再生を積極的に考えるきっかけを提供することが必要です。
  オーナーが空き家の価値を認(rèn)識(shí)し、早期の賃貸を考えると、賃貸料の設(shè)定や改裝の許容範(fàn)囲などに柔軟に対応できる場合もあり、入居條件がより魅力的になることが期待できます。
• （4）空き店舗情報(bào)の情報(bào)発信拠點(diǎn)を持つ
  地域の空き店舗?空き家マップやオーナーとの信頼で得た入居條件などの情報(bào)を、入居希望者に対して発信する拠點(diǎn)（案內(nèi)所）など、オーナーや不動(dòng)産事業(yè)者と入居希望者のコーディネート機(jī)能を設(shè)置することも大切です。
  近年の傾向として、若者や女性の起業(yè)意識(shí)も高まっており、手頃な店舗で開業(yè)する事例も増えてきています。そのような開業(yè)予備群に対して、官民が連攜して情報(bào)提供やマッチングを推進(jìn)することも、効果的だと思います。

地域の空き家?空き店舗の活用への取り組みプロセスには、官民一體となった共通點(diǎn)がある

以前ご紹介した志賀島自治協(xié)議會(huì)とカラクリワークス株式會(huì)社が運(yùn)営している「志賀島空き家プロジェクト」も、八王子におけるプロジェクトと同じようなプロセスを継続的に実施しています。
このように考えると、主に行政が中心となった空き店舗?空き家の解消施策のみではなく、地域活性化に向けたトータルな空き店舗?空き家活用策として、官民一體となって持続的に推進(jìn)している取り組みが、効果を上げているようです。そして、八王子や志賀島の事例では、若者や學(xué)生の參畫が活発であることも特徴となっています。

地域を活性化させるにあたっての地域課題は、空き店舗?空き家問題に限らず、商工業(yè)の時(shí)代的な衰勢、伝統(tǒng)的工蕓や祭事の承継問題、住環(huán)境の変化など、さまざまあります。1つの課題を解決するには、解決施策を策定し、PDCAサイクルを回すことで効果を確認(rèn)しながら推進(jìn)するのが一般的な手法だと思います。しかし、複數(shù)の課題が多発する場合などには、個(gè)々の課題に対応するだけでは難しいケースも出てきます。
地域では課題として認(rèn)識(shí)されていても、全國的な問題となるまで問題が放置されることもよくあります。地域課題を官民連攜により地域內(nèi)で持続的に解決していく仕組みが構(gòu)築されるのが理想的です。

世界的にも例を見ない発展をし、今なお活性化している地域として、米國シリコンバレーがあります。第二次世界大戦以前は、これといった産業(yè)も無い土地でしたが、第二次世界大戦において、スタンフォード大學(xué)で軍事関連研究が盛んになり、それに伴って、地域で軍事産業(yè)が勃興しました。戦後も軍需で培った先端技術(shù)を生かしたハイテク企業(yè)が生まれ、大學(xué)を中心とした産業(yè)集積が起こりました。ここまでは、日本を含め多くの國で見られる現(xiàn)象かと思います。シリコンバレーが特異なのは、産學(xué)連攜の強(qiáng)みもありますが、企業(yè)自體が新たな産業(yè)の支援者（メンター）となって人材や資金、知財(cái)の供給源となり成長スパイラルを生み出す仕組み、いわゆるシリコンバレー?エコシステムが構(gòu)築されたことです。この仕組みは、現(xiàn)在でも地域成長モデルとして、國內(nèi)各地、各國で地域開発の手法として研究が進(jìn)められています。
地域におけるエコシステムを生み出すのは、そう簡単ではないと思います。しかし、少子高齢化、産業(yè)構(gòu)造の変化とグローバル化が叫ばれている現(xiàn)在、地域獨(dú)自の將來的な利益創(chuàng)出のために、ヒト?モノ?カネの持続可能な循環(huán)システムを、地域の行政や企業(yè)、住民が連攜して再構(gòu)築する時(shí)期に來ているのかもしれません。